ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる P・F・ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳) 

P・F・ドラッカー

マネジメントの大家、ピーター・ドラッカーによる未来予測。「日本にとっての最大の問題は(経済ではなく)社会のほうである」とし、来るべき未来を予測し、そこで生じる問題や脅威、機会を明らかにしている。
本書の中でドラッカーは、今日の先進国に共通する問題である少子高齢化のインパクトと、それに応じた雇用・マネジメントの変化について論じている。来るべき未来に対応するために、企業の雇用はどうあればいいのか、さまざまな雇用形態が入り乱れるなかで、マネジメントはどのようになされるべきなのか、個人はどのようにキャリアを磨いていけばよいのか、興味深い議論が展開されている。過去の人口ピラミッドの変化に触れながらこれからの社会を予見したり、また産業革命当時のヨーロッパを振り返りながらIT革命の本質について論じたりする部分には、ドラッカーの歴史観が表れていて読みごたえがある。

本書はまた、トップマネジメントやビジネスパーソンへの啓蒙という意味でも価値がある。トップを含む知識労働者の資質や教育、雇用、評価の方法など、知識社会で働くすべての人に欠かせない視点が提供されており、さらに、資本主義の原則では実現できない個人の豊かさについても言及している。本書で示されているドラッカーの歴史的視点からは、多くのヒントを学び取ることができる。(土井英司)

日経BP企画
ネクスト・ソサエティ 歴史が見たことのない未来がはじまる
社会と経済の行く末を鋭い視点で問い続けるドラッカー教授の最新著作。変化する雇用構造、少子高齢化、情報技術(IT)の浸透、斬新な起業家精神の勃興などを軸に、今後出現する「異質なる社会」について解説する。

 新たな社会では、トップマネジメントが変わるという。組織には経済機関、人的機関、社会機関の3つの側面があり、米国の「株主主権モデル」は経済的側面を、日本の「会社主義モデル」は人的側面を重視しすぎていたと指摘。また、ドイツに象徴された「社会市場経済モデル」も、社会を安定させられなかったと分析する。

 新たな社会においては、それら3つの側面をバランスよく制御することで社会的な正統性を勝ち得た組織だけが生き残るという。そうした意思決定を行うトップマネジメントこそが優れた企業の条件であり、他の経済活動はすべてアウトソーシング可能だとまで言い切る。雇用の変化では、知識労働者を「(知識を売買する)新種の資本家」と位置づけ、特徴を詳しく説く。

 日本社会の劇的な改革を望む機運に関しては注意を促す。官僚機構が腐敗の象徴とされているが、先送り主義や天下りは、「悪」どころか有効な場合も多いとする。次の社会でも官僚に代わるリーダーはいないと結ぶ。


(日経ビジネス 2002/06/10 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


出版社/著者からの内容紹介
社会の変化が、ビジネスの常識を根底からくつがえす!
時代の変化をいち早く見抜き、鋭い洞察力で描く、待望の書き下ろし最新作。

  『断絶の時代』から三五年。ふたたび世界は大きく変貌を遂げようとしている。これまでは経済が社会を動かす原動力だったが、これからは社会の変化が経済を大きく変える。本書は、そうした変化によってどんな時代がやってくるのか、その様相を描いたものである。
 ビジネス界にとって最も大きい変化とは、「若年人口の減少」「労働力人口の多様化」「製造業の地位の変化」の三つの変化がもたらす構造変化である。
 「若年人口の減少」は、たんに労働力人口の不足を招くだけでなく、旧来の「市場」「マーケティング」の意味を根本から変える。正社員が減り、それ以外の雇用形態が大幅に増える「労働力人口の多様化」によって、企業の形そのものが大きく変わる。あるいは、富と雇用の生み手としての製造業は、その地位の変化によって、もはや経済の唯一の主役ではなくなる。さらに、ドラッカーが説いてやまない知識労働者の台頭が明らかになってきた。
 これらの変化が織り成す次の社会は、いったいどのようなものになるのか。世界は、いまなお混沌と急激な変化の中にあるが、大きな流れは見えてきた。
経済とともに社会のイノベーションを必要としている日本にとって、本書が投げかけるメッセージの意義は大きい。ビジネスに携わるすべての人に読んでもらいたい書である。


内容(「MARC」データベースより)
急激な変化と乱気流の時代では、大きな流れにのった戦略をもってしても成功の保証はないが、それ無くして成功はありえない。現在到来中のネクスト・ソサエティの様相を描くことによって、明日のために今日動くべき事を説く。



著者 P・F・ドラッカー
米クレアモント大学院大学教授。ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家として知られる。九二歳の現在も、大学教授、コンサルタント、執筆活動に活躍している。
訳者 上田惇生
ものつくり大学教授。ドラッカー著作のほとんどを翻訳


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ドラッカー,P.F.
ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家として知られる。東西冷戦の終結、転換期の到来、社会の高齢化をいちはやく知らせるとともに、「分権化」「目標管理」「経営戦略」「民営化」「顧客第一」「情報化」「知識労働者」「ABC会計」「ベンチマーキング」「コア・コンピタンス」など、おもなマネジメントの理念を生み発展させてきた。1909年、ウィーンに生まれる。フランクフルト大学卒。現在、米国クレアモント大学院大学教授

上田 惇生
1961年サウスジョージア大学経営学科、64年慶応義塾大学経済学部卒業後、経団連事務局入局。同国際経済部次長、広報部長、(財)経済広報センター常務理事を経て、現在、ものつくり大学教授(マネジメント、社会論)、学校法人国際技能工芸機構評議員。渋谷栄一賞選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


目次

第1部 迫り来るネクスト・ソサエティ(ネクスト・ソサエティの姿
社会を変える少子高齢化 ほか)
第2部 IT社会のゆくえ(IT革命の先に何があるか?
爆発するインターネットの世界 ほか)
第3部 ビジネス・チャンス(起業家とイノベーション
人こそビジネスの源泉 ほか)
第4部 社会か、経済か(社会の一体性をいかにして回復するか?
対峙するグローバル経済と国家 ほか)
あまなつShopあまなつで見る同じレイアウトで作成
































[ 2007/07/22 16:14 ] 未分類 | TB(1) | CM(0)
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